1.インプラント周囲の血管構造
湘南短期大学 学長 高橋 和人先生
正常歯肉について、付着上皮と口腔粘膜上皮があるが、インプラントには付着上皮がない。
付着上皮は、歯肉ポケットに拡大を防止したり外来刺激からの防御機構、自浄作用があり、歯を守っている。
この働きは、付着上皮にしか見られない特殊な血管網があるからである。この血管網は付着上皮からしか生まれない、口腔上皮の血管網と比較し、再生力に乏しい従ってなるべく残すようにしたほうが良い。歯根膜について歯根膜繊維の大束は、血管によって取り囲まれている。歯槽粘膜と付着粘膜の境目に静脈弁があり血液の逆流を防ぐようになっている。これによって歯根膜に圧がかかるたびに血液を送ることになって歯は抹消の心臓ともいえる。 |