佐藤歯学研究所の先輩であられる岡本全宏先生が去る4月4日に逝去されました。57歳でした。岡本先生は東京歯科大学在学中にお父様がお亡くなりになり、成績優秀で各教室から青田買いに会いましたが、色々な理由から卒後、亡父の佐藤歯科診療所に勤務しながら佐藤歯学研究所に入室しました。そして、乳歯列歯間空隙の発育に伴う変化に関する研究で歯学博士を取得されました。
元々、真面目で緻密な性格で、コツコツ型で何事にも手を抜くことの出来ない責任感の厚い先生でした。綿密な計画を立てて論文も書くのはさることながら、公職である学校歯科医、さらに県の歯科医師会にも熱心で、何時、電話をしても「診療時間がないんだ」とおっしゃっていたくらい、忙しくしていらっしゃいました。たまに、お電話をいただく時があり、亡父(佐藤貞勝)私ともに勉強の話になると1時間の長電話はいつもの事でした。
話も上手で、話していることが、そのものズバリと核心をついていて、なるほどといつも感心させられることばかりでした。
公職においても、一つやれば引き続き、次々といつも切れることのないくらい、人望が厚く、頼りがいのある方でした。何事にも多くの知恵、知識、ノウハウをお持ちで、これからますますご活躍されると考えていた岡本全宏先生が亡くなられたのが残念でなりません(享年57)。
岡本先生の多くの患者さん曰く「岡本先生が治療した歯は一生ものだ」歯科医師として素晴らしい賛辞だと心から思い、ご冥福をお祈りいたします。 合 掌