|認証式|50周年記念式典|特別講演|招待留学生|懇親会|エキスカーション|
認証式−名誉を重んじて行動−
東京都 志田佐和子 新フェロー
ICDの認証式、そして記念すべき50周年式典のあった5月19日。それは私にとって長い長い一日だった。
朝8時15分、会場となった帝国ホテルに集合した私達新フェローは夫婦揃って正装し、それぞれ緊張した面持ちだった。本来なら主人共々入会させていただい た我が家も二人揃って出席すべきだったのだが、所用のため主人は欠席。そのため私一人の大舞台となった。
概要の説明の後の認証式リハーサル。各務先生のウィットに富んだお話、そして誘導にしばしその緊張感も解けたように思えた。しかし定刻になりあのガウ ンを身に付け、そして帽子を腕に抱えた瞬間、今まで味わったことのない妙な緊張感に包まれた。あのガウンの重さなのだろうか。装いがこれほどまで人の気持ちをも支配するとは思いもよらなかった。
その後五木寛之氏の講演会、そして華やかな懇親会と続き長い一日はやっと幕を閉じたのであった。
ICDの綱領に「常に会員である名誉を重んじて行動する」とあるが、あの認証式の緊張感は私にそれを教えてくれた第一歩だったように思えた。
明るい笑顔が世界から集まりました
50周年記念式典−祖父・父・私、三代を通じて−
東京都 大岡 洋 フェロー
50周年記念式典は、帝国ホテル・富士の間にて厳粛な雰囲気の中、執り行われました。丹野副会長、江間会長の挨拶の後、Donald Johnson 国際会長からは、日本部会が歴史的に大変重要な位置を占めていた事から始まり、これからの歯科医療について指針を示されました。ICD日本部会に貢献したフェロー、組織への表彰に続き、萬屋常任理事の講演では、限られた時間にも関わらず、50年間の歴史の中でも、特に最近10年間の活動を総括して頂きました。
私の祖父も、父もICDの会員であり、私で三代目となります。特に祖父のICDへの想い入れは強く、私が幼い頃に見た祖父のガウン姿は印象に残っています。
4年前のオーストラリア・シドニーでの国際認証式で認証された事で、ICDという、世界各地の歯科医療に貢献しているオピニオン・リーダーで構成される学術組織の一員として、私が認められた事を実感し、ICDに対する想いをさらに強くした事を今も覚えています。
長い歴史の中で多くのフェローが会の発展の為に関わったことをこの式典を通して知る事になりました。そして、私もこれから微力ながらICDの伝統を積み重 ねていかなければならないという気持を強くしました。
特別講演−日本人の忘れもの・五木寛之氏−
神奈川県 八木 忠幸 新フェロー
最近、私の専門とは程遠い、金融・IT・医療分野からの講演依頼が多い。
一流企業の幹部社員が、破廉恥な事件を起こしたり、うつ病などで労災認定される者が急増したり、さらに、日本は世界でも有数の自殺大国であるとも言われている現在、日本人の心が壊れかかっているのではないか。
仏教の中の言葉で、「慈悲」という教えがあるが、「慈」の励ましの言葉だけではなく、このような病んだ時代に、本当に必要なのは、無言で相手の痛みを感じつつ、深いため息をつく「悲」の感情ではないか。
「鬱」という言葉は、気持ちが沈む、または気持ちが「萎える」ということであるが、ある意味では、人間的で、心がやさしい証拠である。この病んだ時代に、心が萎えない方がおかしいのだ。日々、鬱を感じつつ生きてこそ、現代における人間らしい生き方なのだ。
講演の最後に五木氏は、「歯科医師の先生方も、日々の生活の中で、心が萎えることがあっても、この状態は、鬱ではなく、人生の不条理をつくづく思う愁いで はないかと考え、患者さんたちを励まし元気づけてあげて下さい。」と結ばれた。
仏教の中の言葉の悲の心の解釈と、鬱の裏側にある意味が、実は密接に関係していて、そこにストレス社会と言われている現代を生き抜く智恵があるのではないかと、思った次第である。
招待留学生−立ち上げからの歴史について−
千葉県 佐々木慎一 新フェロー
留学生招待は、各歯科大学・大学院生の「留学生を励ます会」という趣旨で始められた。1998年12月の年末集会に5名の留学生を招いたのが最初の試みであっ た。偶然にも5名の参加者が女性であったこと、また、在籍年数が短くても5年ほどの方がほとんどのため、日本語が堪能で、フェローとのコミュニケーションがスムーズに行えたことで、華やいだ雰囲気の中で国際交流が行われ、フェロー各位ならびに留学生には好印象で、この企画は、成功裏に終わった。そして、翌年からも同様に年末集会に留学生の招待が行われた。2000年から招待者の枠を、大学院生以外に研究生や臨床研修生とした。さらに、招待留学生が都内および近郊の大学に限られてしまうこと、また、ICDの存在を世界に広く知らしめ、さらに、帰国後入会してもらうことを鑑み、門戸をひろげ、開催が地方でも行われる、総会および認証式にも留学生を招待することを2004年から始め、現在に至っている。この企画は、将来的にも是非続けて行けたらと考えている。
最後に、留学生招待にあたり、ご協力頂いたフェローに感謝申し上げ、これからのご協力のほどをお願い申し上げます。
海外からの招待留学生
懇親会−真の目的は存在価値−
岡山県 樋出 誠 フェロー
オープニングは新フェローの入場で、各フェローの名が呼ばれスポットライトを浴びて一人一人順番に礼をして入場してきます。皆さん大変緊張した面持ちで、そういえば3年前は私もそうだったなぁと思い出し、心の中で苦笑してしまいました。
全員が着席すると、まず有名な明治大学マンドリン部の演奏がアトラクションとして始まりました。古賀政男氏を始めとして有名な音楽家を多数輩出している80年あまりの歴史を有する同部の演奏に、グラスを傾けながら出席者は静かに聞き入っています。演奏も古賀メロディーを始め「ゴッドファーザー愛のテーマ」など聞き慣れた曲を中心に進行し、最後は今回特別にマンドリン部としては新曲の「千の風になって」が初公開され皆の心も徐々に和んできました。
演奏が終わると江間誠一郎会長の挨拶の後、ご来賓のDonald Johnson ICD国際会長、世界臨床レーザー学会会長の岩本正晃先生、ジーシー社長の中尾 眞様より丁重かつ粛然としたご祝辞を賜りました。そして乾杯は川村洋二郎マスターで、一転して「堅苦しい挨拶は無し」との実にフランクな御発声で、会場には笑みが溢れて楽しい懇親会が始まりました。帝国ホテル自慢のローストビーフを始め数々の美味しい料理が並んでいますが、中でも特に「鮨源」の握り鮨は人気を集め、開始早々より長蛇の列となっていました。
料理に舌鼓を打ち人心地がつくと席を立ち、知り合いの先生や先輩達に挨拶回りをし旧交を温めます。
お酒が進むにつれ、テーブルで同席の先生方とも親睦を深めます。初対面のため始めは遠慮がちでしたが、話が進む内に同窓の先生であったり、更には義兄と親 しい方もいらしたり、果ては小豆島についこの間遊びに来られたという先生までおられたりと、よくまあこの小さなテーブルの中でと吃驚すると共に、人の縁というのはどこで繋がっているか分からないものだと感じ入りました。
宴もたけなわになった頃、新入会員そして留学生の自己紹介が始まりました。それぞれの先生方もこの頃には緊張もほぐれ、各々個性豊かなスピーチです。そして懇親会はいやが上にも盛り上がりますが、楽しかった宴にもついには終わりが告げられます。
云うまでもなくICDは本当に素晴らしい組織です。しかしこの会は在籍すること自体に意義があるのではなく、出席し、参加し、そして様々な先生方と交流することこそが真の目的であり存在価値なのだということを、Dr.Louis Ottofyと奥村鶴吉先生による会設立の理念に思いを馳せるまでもなく、この懇親会からも実感することが出来ました。
ということで・・・・、さあ2次会だぁ!
ネッ、センセ。
エキスカーション−東京の人間臭さ堪能−
滋賀県 奥村 隆久 フェロー
ICD日本部会の50周年記念エキスカーションとして、今回、広報・編集委員会が中心(以下担当と略す)となって企画された「人間臭さ」を堪能して、ICDマスター、フェローが有意義なコミニュケーションを図るという目的は、緻密な計画、現場の下見、又何度かの打ち合わせ検討の上に実施され、80余名の参加者は有意義か つ愉しい1日を過ごせました。
浜離宮庭園は東京湾の海水を引く潮入りの池と木々の新緑は好天に恵まれすばらしく、隅田川クルーズ・水上バスでの浅草までは勝鬨橋はじめ13の大橋を経ての水上からの遊覧、普段何気ない都会の風景が異なった視点から見る事ができました。
浅草で下船するも、当日は浅草三社祭で近辺は大勢の人出、エキスカーション参加者は散逸しないように担当は汗だくで誘導、柴又帝釈天はちょうど縁日?参道の賑わい、呼び込みの声、昔ながらの下町の風情を満喫……大都会・東京の「人間臭さ」を堪能できたエキスカーションであった。
旅程中のバス車内では、Donald Johnson国際会長夫妻には折り紙で鶴を折って、日本人の手先の器用さをご披露?、また外国フエローとの歓談等で和気藹々。バス2台での移動、すべてが計画通りに運び定刻には所定場所での解散ができ、50周年記念エキスカーションとしてすばらしい出来映え、担当の諸先生方のチームワークがとても良い結果で、ここに感謝と御礼申し上げます。ありがとうございました。
柴又、山本亭「茶会」会場
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