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ADA会長ご夫妻と懇談する大岡フェロー |
「私の講義は最初の30分は大変退屈で眠くなりますが、後半はとても興味深い話になります。」という言葉が講演の始まりであった。地震予知連会長の大竹政和・東北大学名誉教授は、地震の発生のメカニズムとその予知という、我々にとっては全く新鮮な話題を、理路整然と穏やかな口調で解説された。
地震予知の第一人者である大竹先生の口からは、短期的な地震予知はかなり困難であることを意外なほど淡々と話された。しかし、歴史的な周期や地震の発生分布などの科学的な計測の結果を基に考察する、といった作業により長期的に〜年以内に〜%の確率で起こる、という形で地震を予測する事は可能であるとのことであった。地震の基本的なメカニズムをふまえ、具体的な地域を例に出されて、地震の発生確率を話された講演の後半は、全国で開業している同級生のことを考え、真剣に聞き入ってしまった。
「地震」は天災であり、日本国内ではどこでも地震からの危険を避けられない。が、「震災」は端的に言えば、人々の努力により被害の規模を抑えることができる人災である。そして「地震」と共存しながら「震災」にならないように対応しなければならない、ということを最後におっしゃったのが印象的であった。
結局、参加者は大竹先生の講演の一部始終を、興味をもって聞き入ったのであった。
(長期計画委員会 大岡 洋 記)
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